【八楽舎代表へのインタビュー①】介護業界の現状と今後八楽舎が提供するサービスについて

「介護業界の業態の多さに驚きました」

──松田社長はまったく畑違いの金融業界から転身され、八楽舎を立ち上げたとお聞きしました。八楽舎のコンサルティングサービスを始めるにあたり、介護業界についてイチから勉強されたそうですが、最も驚かれたのはどんなことでしょうか?

八楽舎代表 松田

介護業界の業態数の多さです。
さすがに最近は「老人ホーム」と一括りにした呼び方はしませんが、それでもほとんどの方が、家族がお世話になっている施設のことしか知らないのではないでしょうか。

私自身も90歳になる祖母が特別養護老人ホーム(以下、特養)に入居していたので、介護施設といえば特養のイメージしかなく、施設というのは「余生を安全に過ごす場所」という考えでした。

実際には、入居型施設の中にも、介護老人保健施設があり、特養があり、有料ホームがあり、その他にも、デイケアサービスや、認知症の方だけを受け入れるグループホームなどがあります。

サービスを受ける方の状態や状況にあわせて、これだけ多種多様な業態を持つ業界もなかなか珍しいのではないでしょうか。

──確かにそうですね。

私自身も亡くなった父がお世話になった「介護老人保健施設」と「特養」については、それなりに調べたので知っていますが、父が利用しなかった「デイサービス」や「グループホーム」についてはほとんど知りません。

八楽舎代表 松田

多くの方がそうなのだと思います。

私も八楽舎のサービスを始めていなければ、知らないままでいたでしょう。
知識のないまっさらな状態から多くの業態について詳しく調べていくうちに、どの業態にも八楽舎の提供するサービスが必要であると確信しました。

業態数が多く、ひとつの業態が提供するサービス内容が多岐にわたる介護の世界で、コスト削減のお役に立ちたいと改めて感じたのです。

「運営コスト適正化が行われてこなかった理由」

──介護業界はまだまだ新しい業界ですが、2025年問題を前に、ここ数年、介護報酬改定など、事業者にとって大きな影響を与える変化が何度も訪れています。

そのような中で、介護事業者の傾向に変化は見れますでしょうか。

八楽舎代表 松田

前回2015年の介護報酬改定は、想定内であったとはいえ、業界に大きな衝撃を与えました。

もともと日本の公的介護制度は、各自治体が社会福祉の一環として運営してきました。やむを得えない理由がある人を行政措置の範疇で面倒をみるという制度です。

──なるほど。それまでは自宅での介護が一般的でしたよね。

八楽舎代表 松田

そうですね。
それが2000年にスタートした介護保険制度により、介護を必要とする人が「必要なサービス」を自由に選択できるようになりました。

介護サービスに大きなニーズが生まれたため、多くの異業種から、介護業界への参入がスタートしたのです。

──居酒屋をチェーン展開するワタミが介護を始めたときには大きな話題となりましたね。2000年以降、ほかにどのような企業が参入してきたのでしょうか。

八楽舎代表 松田

最も多いのは建築業ですね。業界大手のツクイも元々は工務店です。
建築系の業界が多いのは、地主との長年の関係性から土地の借り上げがしやすく、さらに自社で建物を建てられるというメリットがあったからでしょう。

異業種が多く参入してきた2000年当時は、施設が足りない状態でしたから、さほど運営コストを気にせずとも、利益がしっかり出る経営ができていまいた。

「施設の数を増やす」という命題のもと、数を増やすことを急ぐあまり、電気・ガス・水道・施設賃貸料などの運営コストが適切かあるかどうかまでじっくり検討できぬまま新規施設を開業した企業も多いようです。

──なるほど。
2000年以降、多くの施設が開業し、現在、運営コスト見直しが必要とされている背景には、そんな事情があるのですね。

「介護報酬改定に多くの事業者が戸惑っています」

──介護報酬改定を受けて、事業者はどのような方向転換を目指しているのでしょうか。

八楽舎代表 松田

正直に申し上げて、戸惑っている事業者様が多いようにお見受けします。

介護報酬の点数が下がり、これまでのような売り上げが見込めなくなったいま、
保険点数依存型のビジネスモデルから、新たなビジネスモデルへと転換・拡大を図らなければならない。でも、具体的になにをすべきか、まだまだ決めきれていないようです。

──八楽舎としては、これまでの「コスト適正化」以外に、ビジネスモデル拡大のお手伝いとなるような、事業者向けの新たなサービス展開を考えられているのでしょうか。

八楽舎代表 松田

はい、今後は「コスト適正化を行いながら利益を得る仕組み」をお伝えしていきたいと考えています。

たとえば、介護施設では利用者様に向けて数多くの商品を取り扱っていますが、そもそも物販で利益を出すという概念をあまり持っていません。

介護保険収入以外に利益を出す必要性を感じぬまま経営されてきた事業者様も、今後は収益の柱を複数持たねばなりません。

物販に限らず、企業として当たり前に「利益を得る仕組み」を持てるよう、介護保険依存型ビジネスから転換するためのお手伝いをしていきたいのです。

──事業者が利益を得るために、単に商品の取り扱いを勧めるのではなく、「利益を得る仕組み」を提供しようというのが、八楽舎らしい考えですね。

八楽舎代表 松田

はい、私たちはこれまでも、「モノを売らず、おカネをかけず」初期投資ゼロのサービスをご提供し、事業者様からの信頼を得てきました。
今後もこのスタンスは変えずに、八楽舎が持つ「仕組み」をお伝えすることで、多くの事業者様のお役に立ちたいと考えています。

~【八楽舎代表へのインタビュー②】へつづく~