「介護甲子園」ご存知ですか?

──2月に大阪で開催された「介護甲子園※」を見に行かれた感想を今日は聞かせてください。まず、どういう経緯で参加することになったのでしょうか。

八楽舎代表 松田

主催である「介護協会」の方にお誘いいただき行ってきました。
今回で7回目で大阪開催は昨年に続き2回目。年々、規模が大きくなっているようです。

──「介護甲子園」というネーミングもインパクトがありますね。
どのくらいの数の事業所が参加しているのでしょうか。

八楽舎代表 松田

日本全国6,000箇所の事業者がエントリーし、事前審査を経て、出場出来るのはたったの6チーム。決勝大会に出場したチームは、どこも気合が入っていましたよ。

──発表内容はどのようなものが多いのでしょうか?

八楽舎代表 松田

「職場環境の改善」が多かったですね。
人事面談を多くしたり、声がけをしあったり、コミュニケーションの機会を増やして職場の人間関係を円滑にしていった様子を、お芝居を取り入れながら臨場感たっぷりに表現されているチームもあり、伝わってくるものがありました。

──やはりいちばんの課題は「職場の人間関係」なんですね。

八楽舎代表 松田

離職理由として最も多いのが「人間関係」ですからね。
介護職を志望される方は、ホスピタリティが高く、心根の優しい方が多いので、「人との摩擦」「人との交渉」を苦手とされる方が多いんです。

不満に感じていることを口に出せぬまま、人間関係を改善することができず、退職されてしまう方が多い。

この課題を「しくみ化」して、スタッフみんなが「意見しやすい職場」「チームメンバーを気にかける職場」を作り上げているのだなと感じました。

──職場の人間関係の良さがなによりも重要なのですね。

八楽舎代表 松田

介護現場は利用者様との「対人コミュニケーション」が主となる業務ですので、職場のチームメンバーと円滑なコミュニケーションを取り、自分自身が楽しく仕事をすること、楽しい雰囲気を利用者様にも感じてもらうことが、サービス向上につながるのだと思います。

発表されていたチームは、自分たちのチーム力がサービス向上に直結することを理解して、取り組んでいるのだなと感じました。

──なるほど。どの職場もそうだとは思いますが、介護現場はチーム力の高さがサービス向上につながる職場なんですね。

「職場環境の改善」以外には、どんな発表がありましたでしょうか。

八楽舎代表 松田

デイサービスを運営している事業者の発表が興味深かったです。

「施設らしい施設では機能訓練にならない」
「施設は動線が整い過ぎている」

という考えのもと、あえて室内に段差を設けるなど、「自宅に近い」状態の施設を作り、利用者様が自宅に帰られたときに、スムーズに生活できることを考えて運営されているそうです。

──それはおもしろい取り組みですね。

八楽舎代表 松田

そのほかにも、食堂を居酒屋形式にされているそうです。
お酒は出さないけれど、昔、仕事帰りに一杯やってから帰宅していたお父さんたちが懐かしんでくれるように、、、という想いがあるそうです。

──とことん、利用者様目線に立って施設作りをされているのですね。
そんな面白い取り組みをされている施設の存在が、もっと知られるといいですね。

八楽舎代表 松田

そうですね。介護甲子園を毎年開催する意義もそこにあると思います。
家族が施設に通っていない、入居していない限り、なかなか介護施設のことを知る機会はありませんから。

メディアに取り上げれらるのは、事件や事故の暗いニュースが多くなります。全体から見たらほんの一握りの施設のイメージが、介護施設全体のイメージ悪化につながることを心から残念に思います。

業界のイメージ悪化が、介護職離れを助長している気もします。

「介護甲子園」は、介護職を目指す学生さんにも、ぜひ見にきてほしいイベントですね。

──介護職のイメージアップにもつながる有意義なイベントですね。
今日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

八楽舎代表 松田

こちらこそ、ありがとうございました。

介護甲子園とは

「介護甲子園」とは、介護から日本を元気にしたいという想いを持つ全国の同志により開催される、介護業界に働く人が最高に輝ける場を提供するイベントです。

全国からエントリーされた介護事業所のうち、独自の選考基準で選ばれた優秀事業所が、年一回、数千人が集う大会場に集結します。

ステージで事業所の想いや取組みを発表し、介護甲子園における日本一の事業所を決定します。

介護業界で働いている人が夢や誇りを持てるイベントにすることを目指し、介護ってカッコいいと憧れる職業であると賞賛していただく機会とします。

第一回大会では1.500人の来場者があり、観客の前で熱いメッセージを伝える感動のイベントとなりました。

介護甲子園は非営利を目的とし社団法人日本介護協会が運営、介護甲子園をきっかけとして全国各地で生まれた、介護業界を皆で活性化しようとする取組みを年間を通して支援します。

介護甲子園公式サイト
http://kaigokoshien.org/

介護甲子園公式Facebook
https://www.facebook.com/kaigokoushien/

(インタビュアー)八楽舎 広報 佐藤 麻子