【八楽舎代表へのインタビュー②】

──今後、八楽舎として「固定費適正化」を一緒に進めていきたいのは、どのような事業者でしょうか。

八楽舎代表 松田

コスト適正化の必要性をわかっていながら、人手が足りなかったり、日々の業務に流されて後回しになっているような事業者さんですね。
半年先延ばしにすれば、本来、適正化ができていた半年分の損失を生みますので、迷わず先延ばしせずに、削減額の試算だけでもご依頼いただきたいです。

──八楽舎の固定費適正化の範囲は、ガス・電気・水道から固定資産税までと幅広いのですが、その中で削減率の高いものはどれでしょうか?

八楽舎代表 松田

水道ですね。
3施設合計で水道だけで2,600万円の削減を行った実績もあります。
介護事業で2,600万円の利益を出すには、8億6千万円の売り上げが必要ですが、適正化しただけでこれだけの利益を出せたのは、事業者様にとっても大きなインパクトだったと思います。

──水道だけで2,600万円は確かに大きいですね。削減しやすい施設の業態はありますか?

八楽舎代表 松田

有料老人ホームのような、業態が1種類の施設は削減効果が出やすいです。
たとえば、特別養護老人ホームの場合ですと「デイケア」+「入居施設」と業態が2種類に分かれており、どちらの業態でどれだけの水道利用量であったのかを切り分ける必要があります。

明確に切り分けるには、別途、工事が必要となり、この工事にかなり費用がかさみます。八楽舎でお受けすれば工事費はいくらかお安くできますが、それでも工事費の回収に3年かかることもあるのです。

──なるほど。ところで八楽舎は削減額の試算は無料で引き受けていらっしゃいますよね。実際に試算を依頼し、八楽舎へコンサルティングを依頼されない事業者様には、どのような事情があるのでしょうか。

八楽舎代表 松田

試算をお出しした事業者様の3割ほどはコンサルティングを見送られます。主な理由としては、

(1)すでに十分にコスト適正化ができていた

(2)大きく適正化できることはわかったが、コンサルフィーを払うくらいなら自分たちでやりたい

(3)担当者はコンサルティングを依頼したいと考えているが、オーナーが「外注はせずに自分たちで適正化すべき」という考えで依頼できない

この3つに絞られます。

(1)の場合は、コスト適正化の健康診断をさせていただいた結果「結果◎」ですので、コンサルティングに結び付かなくてもいいのです。「コスト適正化はできているので、利益を生むには別の施策が必要だ」という結論を出すお手伝いができたわけですから。

問題は(2)と(3)ですね。
「自分たちでやってみる」と仰って、その後、実際に取り組んだという実例をまだお聞きしたことがないので、やはり多忙な業務に流されて後回しになっているのだと思います。

先程も申し上げたように、半年先延ばしすれば、半年分キッカリ損をしますので、この機会損失は計り知れません。

──現場スタッフは必要性を感じているのに、オーナーや上長に納得してもらえないのは辛いですね。オーナーはともかく、上長は異動などで人が代わることもありますよね。(3)の理由でコンサルティングを断念した事業者に再びアプローチされたりしていますか?

八楽舎代表 松田

・・・申し訳ありません、現在はしておりません。ご新規のお申し込みが多く、対応に追われておりまして、なかなかそこまではフォローしきれていないのが現状です。

──今後、事業者は国の方針転換に対応できるのでしょうか?

八楽舎代表 松田

現在の箱型ケアから自立支援型ケアに移行するにあたり、デイケアや老人保健施設などは、機能訓練のノウハウを積み上げてきていますので、方針転換にも適応できるのではないでしょうか。

ただ、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)のような業態の施設は、自立支援のノウハウをあまり持っていないので、適応するまでに時間がかかるでしょう。

国の方針転換により、介護報酬を減額された有料老人ホームやサ高住の施設閉鎖が今後増えることを危惧しています。

一般的なサラリーマン家庭の年収で、有料老人ホームやサ高住の入居費用を支払おうとすると大きく家計を圧迫します。

要介護度がさほど高くなく、特養に入れず、有料老人ホームの料金が高くて入居を諦める場合、家庭で介護する以外に選択肢がありません。

共働き家庭が増え、晩婚化により「親が高齢だが、子供もまだ手がかかる年齢」という家庭も多い中で、選択肢が「自宅介護一択」であることは、多くの介護者家族を追い詰めることになるでしょう。

国は少なくとも2025年までは、有料老人ホームやサ高住に支援をし、介護者家族が自宅介護で苦しむことの無いよう、政策の見直しが急務であると考えます。

そして、八楽舎では、固定費適正化のコンサルティングを通じて、安定経営の事業者様を増やし、介護利用者も介護者家族も安心して施設を利用できる環境を作っていきたいと考えています。

──介護報酬改定で介護事業者の事業モデル変革が求められるいま、八楽舎のコンサルティングは今後ますますニーズが高まりそうですね。今日はありがとうございました。

八楽舎代表 松田

こちらこそありがとうございました。

(インタビュアー)佐藤 麻子

【八楽舎代表へのインタビュー①】介護業界の現状と今後八楽舎が提供するサービスについて

「介護業界の業態の多さに驚きました」

──松田社長はまったく畑違いの金融業界から転身され、八楽舎を立ち上げたとお聞きしました。八楽舎のコンサルティングサービスを始めるにあたり、介護業界についてイチから勉強されたそうですが、最も驚かれたのはどんなことでしょうか?

八楽舎代表 松田

介護業界の業態数の多さです。
さすがに最近は「老人ホーム」と一括りにした呼び方はしませんが、それでもほとんどの方が、家族がお世話になっている施設のことしか知らないのではないでしょうか。

私自身も90歳になる祖母が特別養護老人ホーム(以下、特養)に入居していたので、介護施設といえば特養のイメージしかなく、施設というのは「余生を安全に過ごす場所」という考えでした。

実際には、入居型施設の中にも、介護老人保健施設があり、特養があり、有料ホームがあり、その他にも、デイケアサービスや、認知症の方だけを受け入れるグループホームなどがあります。

サービスを受ける方の状態や状況にあわせて、これだけ多種多様な業態を持つ業界もなかなか珍しいのではないでしょうか。

──確かにそうですね。

私自身も亡くなった父がお世話になった「介護老人保健施設」と「特養」については、それなりに調べたので知っていますが、父が利用しなかった「デイサービス」や「グループホーム」についてはほとんど知りません。

八楽舎代表 松田

多くの方がそうなのだと思います。

私も八楽舎のサービスを始めていなければ、知らないままでいたでしょう。
知識のないまっさらな状態から多くの業態について詳しく調べていくうちに、どの業態にも八楽舎の提供するサービスが必要であると確信しました。

業態数が多く、ひとつの業態が提供するサービス内容が多岐にわたる介護の世界で、コスト削減のお役に立ちたいと改めて感じたのです。

「運営コスト適正化が行われてこなかった理由」

──介護業界はまだまだ新しい業界ですが、2025年問題を前に、ここ数年、介護報酬改定など、事業者にとって大きな影響を与える変化が何度も訪れています。

そのような中で、介護事業者の傾向に変化は見れますでしょうか。

八楽舎代表 松田

前回2015年の介護報酬改定は、想定内であったとはいえ、業界に大きな衝撃を与えました。

もともと日本の公的介護制度は、各自治体が社会福祉の一環として運営してきました。やむを得えない理由がある人を行政措置の範疇で面倒をみるという制度です。

──なるほど。それまでは自宅での介護が一般的でしたよね。

八楽舎代表 松田

そうですね。
それが2000年にスタートした介護保険制度により、介護を必要とする人が「必要なサービス」を自由に選択できるようになりました。

介護サービスに大きなニーズが生まれたため、多くの異業種から、介護業界への参入がスタートしたのです。

──居酒屋をチェーン展開するワタミが介護を始めたときには大きな話題となりましたね。2000年以降、ほかにどのような企業が参入してきたのでしょうか。

八楽舎代表 松田

最も多いのは建築業ですね。業界大手のツクイも元々は工務店です。
建築系の業界が多いのは、地主との長年の関係性から土地の借り上げがしやすく、さらに自社で建物を建てられるというメリットがあったからでしょう。

異業種が多く参入してきた2000年当時は、施設が足りない状態でしたから、さほど運営コストを気にせずとも、利益がしっかり出る経営ができていまいた。

「施設の数を増やす」という命題のもと、数を増やすことを急ぐあまり、電気・ガス・水道・施設賃貸料などの運営コストが適切かあるかどうかまでじっくり検討できぬまま新規施設を開業した企業も多いようです。

──なるほど。
2000年以降、多くの施設が開業し、現在、運営コスト見直しが必要とされている背景には、そんな事情があるのですね。

「介護報酬改定に多くの事業者が戸惑っています」

──介護報酬改定を受けて、事業者はどのような方向転換を目指しているのでしょうか。

八楽舎代表 松田

正直に申し上げて、戸惑っている事業者様が多いようにお見受けします。

介護報酬の点数が下がり、これまでのような売り上げが見込めなくなったいま、
保険点数依存型のビジネスモデルから、新たなビジネスモデルへと転換・拡大を図らなければならない。でも、具体的になにをすべきか、まだまだ決めきれていないようです。

──八楽舎としては、これまでの「コスト適正化」以外に、ビジネスモデル拡大のお手伝いとなるような、事業者向けの新たなサービス展開を考えられているのでしょうか。

八楽舎代表 松田

はい、今後は「コスト適正化を行いながら利益を得る仕組み」をお伝えしていきたいと考えています。

たとえば、介護施設では利用者様に向けて数多くの商品を取り扱っていますが、そもそも物販で利益を出すという概念をあまり持っていません。

介護保険収入以外に利益を出す必要性を感じぬまま経営されてきた事業者様も、今後は収益の柱を複数持たねばなりません。

物販に限らず、企業として当たり前に「利益を得る仕組み」を持てるよう、介護保険依存型ビジネスから転換するためのお手伝いをしていきたいのです。

──事業者が利益を得るために、単に商品の取り扱いを勧めるのではなく、「利益を得る仕組み」を提供しようというのが、八楽舎らしい考えですね。

八楽舎代表 松田

はい、私たちはこれまでも、「モノを売らず、おカネをかけず」初期投資ゼロのサービスをご提供し、事業者様からの信頼を得てきました。
今後もこのスタンスは変えずに、八楽舎が持つ「仕組み」をお伝えすることで、多くの事業者様のお役に立ちたいと考えています。

~【八楽舎代表へのインタビュー②】へつづく~

人材不足の解決策として期待されるAI導入について

介護現場でのロボット導入が急増

介護現場の人手不足を解消する打開策として、大いに期待されている介護ロボットの導入。

国が多額の補助金を出したこともあり、介護ロボットを導入する施設が急増しており、注文対応に追われるメーカーもでてきているようです。

さて、一括りに「AI導入」「介護ロボット導入」と言われがちですが、実際に介護施設のどのような場面でAIを搭載したロボットが導入されているのでしょうか。

また、今後の課題についてもお話ししたいと思います。

介護ロボットが待ち望まれている理由とは?

介護ロボットの導入を期待してるのは、人手不足に悩む経営者だけではありません。介護スタッフや介護を受ける利用者もロボット導入を待ち望んでいます。

そこには、どのような心理的理由があるのでしょうか。

利用者側がロボットによる介護を望む理由

「介護は人の手ですべき」「人の手をかけるのが真心」といった信念を持つ介護スタッフさんがいる一方で、利用者からは「気を遣わなくて済む」「ロボットの介護を積極的に受けたい」という声も聞かれます。

とくに入浴や排せつの場面では、人による介助で気まずく恥ずかしい思いをするよりも、ロボットに頼むほうが気がラクなのかもしれません。

介護スタッフがロボット導入を望む理由

介護職員の半数が腰痛に悩まされていると言われる、過酷な介護現場。
中腰で行うオムツ交換や入浴介助など、腰への負担は相当なものです。

このような肉体的負担が軽減されればと、ロボット導入に期待を寄せる介護スタッフも多くいます。

導入されるロボットの種類

介護の現場に導入され始めている介護ロボットには、大きく分けて3種類あります。

1)介護支援型ロボット

主に移乗・入浴・排せつなど介護業務を支援するロボットで、介護スタッフの肉体的負担を軽減することが目的です。

移乗介護での介護スタッフの腰への負担を減らせるだけでなく、認知症で身体に触れられることに抵抗がある方の心理的負担を減らすこともできます。

移乗介助機器には、介護スタッフが身体に装着して、スタッフの動きを補助する装着型タイプのものと、パワーアシスト機能を持つ非装着型の2種類があります。

2)自立支援型ロボット

利用者の身体に装着し、リハビリでの歩行を補助したり、食事摂取をアシストするロボットです。

歩くときの膝の痛みを軽減する装置を付けることで、億劫になっている外出を促すことができるだけでなく、いままで誰かに頼んでいた日常生活での動作も、ロボットを装着することで自分でできるようになり、利用者の心理的負担が軽くなる効果もあります。

荷物を運搬できる外出向けタイプと、屋内での立ち座りやトイレ移動をサポートする屋内向けタイプの2種類が存在します。

3)コミュニケーション/セキュリティ(見守り)型ロボット

利用者と会話を通じてコミュニケーションを取るロボットです。

「外に散歩に行きましょう!」と提案して外出を促したり、レクリエーションを指導したり、毎日、決まった時間に利用者の様子を家族に知らせる見守り機能を持つロボットも登場しています。

認知症やボケは会話の減少に影響すると言われるなか、ロボットとコミュニケーションを取ることで、認知症予防につながると期待されています。

ケアプランの作成もAIへ移行

介護ロボットの導入が増えるなかで、AIによるケアプラン作成も着々と進められています。

政府系ファンドの産業革新機構と介護大手のセントケア・ホールディング、日揮、ツクイなどが設立した新会社「シーディーアイ」では、愛知県豊橋市と協定を結び、今年の10月から市内5事業者で、約50人の高齢者のケアプランをAIに作成させる取り組みを始めます。

AIが作成したケアプランをケアマネージャーが確認し、利用者に合わせた調整を行った上で、実際に利用者へと提供。3カ月後に利用者の満足度・身体状況の改善度・ケアマネ業務の変化など、効果測定が行われます。

ケアマネージャーの業務軽減にどれだけ貢献できるか、注目が集まっています。

AI導入を早急に進めるための課題とは

介護ロボットの導入、AIによるケアプランの作成は、人材不足の改善策として政府主導で進められていますが、現場では不満の声も上がっているようです。

「技術は素晴らしいが、使い勝手が悪く、介護の実態に即していない」

「装着に時間がかかり過ぎる」

一方、ロボット介護機器の展示会などでは、最新の機器を体験した施設関係者から「想像以上に技術が進歩している」という声も上がっています。

来たる2025年を迎え、介護現場における人材不足がますます加速するなかで、介護ロボットやAIの導入は、急務であると言えるでしょう。

そのためにも、積極的に介護ロボットを導入し、使い勝手の悪さをメーカー側にフィードバックできるよう、介護施設とメーカー側の連携の強化が求められます。

さらに、肉体的負担のかかる作業をロボットに任せ、人の温かさを必要とする対応を人間がやる、という業務の棲み分けも、今後、現場の声を吸い上げながら考えていく必要がありそうです。

高齢者住宅フェア2017出展レポート

2日間で16,000人もの方が来場された高齢者住宅フェア

7月18日(火)19日(水)の2日間、東京ビックサイトにて、高齢者住宅新聞社主催「高齢者住宅フェア2017」が今年も開催されました。
私ども八楽舎は、今年初めてブースを出展し、さらには、高齢者住宅新聞社様よりお声掛けいただき、「コスト適正化」に関するセミナーにも登壇いたしました。

 

 

使用量を減らさずに月々の固定費を下げられる?

出展企業は、やはり住宅関連企業様が多く、当社のような「コスト適正化に特化したコンサルティング」を行う企業は珍しかったようです。

そのせいか、ブースには多くの方がお立ち寄りくださり、「一体、どんなしくみで【使用量を減らさずに月々の固定費を下げる】ことが可能なのか?」といったご質問を数多くいただきました。

コスト適正化に興味を持たれたお客様の声

デイサービス・高齢者向け住宅を運営する事業者様

お悩み

・来年の報酬改定の内容次第では、全く利益が出なくなるのでは?と不安を感じている。

・削れるのは、光熱費か給食費くらいだが、利用者の満足度を考えても、給食費は削りたくない。

気になっていること

・最初に施設を立ち上げたときに、知り合いから「水道・電気・ガス」の業者を紹介され、そのまま契約しているが、もっと料金を下げられるのでは?と感じ始めている。

・知り合いから紹介された手前、他社への乗り換えを言い出しにくい。

・とくに水道料金については、八楽舎のこれまでの事例を見ても、大きく削減できるような気がしているが、実際のところはどうなのだろう?

八楽舎担当者の回答

水道料金については、地域の条例を詳しく調べる必要がありますが、多くの場合、料金は「逓増型」であり、使えば使うほど単価が高くなるしくみになっていますので、申請方法を変えることで大きく削減できる可能性があります。

電気・ガスについては、御社の場合、複数の施設で一括契約をされているので、いま現在もオトクな契約になっている可能性がありますが、さらに詳しく、施設の使用状況や各種供給会社からの明細書を拝見し、弊社スタッフが精査することで、削減額を試算し、ご提示できます。試算まではコンサルフィーも発生しませんので、ぜひお気軽にご依頼ください。

クライアント様、関係者の皆様へ

会社創設から3期目で、高齢者住宅フェアへの出展ができたのも、ひとえにクライアント様、関係者の皆様のお力添えの賜物です。

初めてのフェア出展で分からないことだらけでしたが、集客デザインの専門家である五島氏にイチからアドバイスをもらい、迷うことなく準備が進められ、当日もスムーズな運営ができました。

これまで、広範囲の営業を行わず、お客様からの紹介で顧客獲得を行ってきた弊社ですが、フェア出展により、関東・中部・関西圏以外のお客様にも、「コスト適正化で利益を生む」サービスを知ってもらい、興味を持っていただけて、大変有意義な2日間のイベントでした。

弊社ブースにお越しくださった介護事業者様、メーカー様と、今後、打合せを重ね、皆様のお役に立てるよう、コスト適正化のプランニングを詰めていきたいと考えております。

当社ブースおよびセミナーにご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

介護職員に選ばれる事業所とは

介護人材の需給ギャップ

厚生労働省が6月24日に発表した「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」によると、2025年に必要とされる介護職員数は約253万人。

これに対し、今後の増員見込みは約215万人となっており、38万人が不足すると想定されています。

国の施策に対する現場の声

必要とされる人材数に対し、思うような増員が見込めない「需給ギャップ」を埋めるための対策として、厚生労働省は「業務内容の魅力アップ」「業務負担の軽減」とあわせて「2025年に向けた必要な増員数の推計」が必要だと促していますが、これに対して現場サイドからは、「推計をしている場合ではない、依然として低賃金であることが最大の課題であり、従業員の処遇改善をさらに進めるべき」との声が上がっています。

処遇改善加算の改定

処遇改善加算の改定については、今年4月に加算区分が5区分へと分けられ、その加算額が事業所に給付されることとなりました。

これにより、介護職員1人あたり、月額1万円相当の給与アップが見込めるはずなのですが、現場職員からは「1万円もアップされていない・・・」という不満の声も出ているようです。

処遇改善加算改定に対応するための事業者の取り組み

月額1万円相当の給与アップを実現させるためには、「キャリア要件Ⅰ~Ⅲ」を満たす必要があります。

キャリア要件Ⅰ~Ⅲの主な内容は以下のとおりです。

・キャリアに応じた役職、職務内容が定められており、且つ、就業規則等の書面に明記し周知されていること。

・介護職員のキャリアアップに関する計画がなされていること。
具体的には「研修機会の提供」「OJTやOFF-JTを通じて職員の能力評価を適正に行うこと」「資格取得のための支援を行うこと」のいずれかの計画を作成し、それらが職員に周知されていること。

・昇給の仕組みを導入し、職員に周知していること。

介護職員に選ばれる事業所

上記Ⅰ~Ⅲは、有能な介護職員を育成し、継続して勤務してもらうための評価制度や支援制度を設けていた事業所様においては、難なくクリアできる要件ですが、明確な人事考課や育成制度の整備になかなか着手できずにいた事業所様においては、まずは事業所内の制度作りから始めなければなりません。

有能な介護職員は、自身の能力を適正に評価してくれる職場を求めます。

「人材育成や人事考課制度が整った事業所」

「キャリア要件を難なく満たし、今後もさらなる改定が見込まれる処遇改善加算に速やかに対応できる(=給与アップに即反映される)事業所」

このような事業所が、優れた能力を持つ介護職員に選ばれることでしょう。

処遇改善制度を活用し、介護職員の給与アップを図るための、「人材育成制度とキャリアアップ支援制度の整備」が、小中規模の事業所様においても、喫緊に取り組むべき課題になっていると感じます。

 

2018年のダブル改定に向けて介護事業者が取り組むべきこと

次年度のダブル改定

2025年問題を見据えて、介護報酬と診療報酬が同時改定となる次年度(2018年)のダブル改定。

新たな介護体制の幕開けともいえる改定を前に、事業の方向性や戦略を見直されている介護事業者様とお会いする機会が、近頃、増えてまいりました。

自立支援へのインセンティブ拡大

介護報酬改定の柱のひとつは、イノベーションを加速させ、健康寿命を延ばしていくこと。

介護報酬にはすでに、「リハビリテーションマネジメント加算」や、施設での介護から在宅介護に切り替える入所者数を評価する「在宅復帰・在宅療養支援機能加算」など、自立支援に関するインセンティブが組み込まれていますが、2018年度の改訂では、さらにこのインセンティブが拡大されると見られています。

お世話型介護から自立支援型介護へ

国が自立支援型介護を推奨する背景には、「社会保障費の増大」と「人口減少問題」による「介護保険制度崩壊の危機」があるわけですが、そうした事情を別にしても、高齢者の意欲や活力を削いでしまう「お世話型介護」よりも、本人の意欲や活力を取り戻す「自立支援型介護」が推進されるべきであるのは、言うまでもありません。

拡大する地域支援事業

介護報酬改定のもうひとつの柱が「地域包括ケアシステムの推進」です。

2011年の介護保険法改正で、条文に「自治体が地域包括ケアシステム推進の義務を担う」と明記され、システムの構築が義務化されましたが、現状は、体制を整備する側の市区町村が明確な一手を打てずにおり、あまり進んでおりません。

この現状を打破し、半ば強制的に推し進めていくのが、次回改正での「地域包括ケアシステムの推進」であり、具体的には、2020年までに「要介護度1・2」へのサービスも地域支援事業が担っていく方向で話し合いが進められています。

ダブル改定に向けて介護事業者が取り組むべきこと

「自立支援型介護へのインセンティブ拡大」「地域支援事業のサービス拡大」を前に介護事業者が取り組むべきは、機能訓練を充実させたり、健康である自立した高齢者のニーズを汲み取ったサービスを提供することであり、スタッフ採用や教育、新サービスを導入するための体制構築が急務であると考えます。

新サービスの導入には、当然、費用がかかります。
現状の運営体制を変えずに利益を出す方法については、八楽舎コンサルタントにご相談ください。

「外国人技能実習制度」介護職種追加について

外国人技能実習制度とは

外国人技能実習制度は、1993年に導入された制度で、日本で学んだ知識や技術を外国人が自国の経済発展のために持ち帰ることを目的として始まりました。

ただ、実際には、国内外から「低賃金労働者の確保に利用されているのでは?」という批判の声もあり、賃金未払いや長時間労働など、問題点も指摘されています。

介護職が追加される理由と受け入れ要件

そんな中、本年11月1日より、いよいよ介護職も外国人技能実習制度の対象職種に追加されますが、外国人技能実習制度の本来の主旨から外れることのないよう、

「介護先進国である日本の介護技術を自国に持ち帰ってもらうことが目的」
「介護人材不足への対応を目的とするものではない」

とされています。

また、これまでの本制度の問題点を踏まえ、

「経営が安定している施設であること(設立3年以上)」
「常勤職員数30人以下の場合、常勤職員総数の10%までを上限とする」

など、受け入れ施設の要件も細かく定められています。

2025年には約38万人の介護士不足に陥る介護現場

「介護人材不足への対応を目的とするものではない」とされてはいるものの、現在の深刻な人材不足状況を鑑みても、「2025年には38万人の介護士が不足する」と推測されている実情においても、事業所としては11月の改正に期待してしまうのではないでしょうか。

外国人スタッフ受け入れ成功のカギは?

2008年に始まったEPAに基づく外国人受入制度

介護事業所の外国人採用としては、2008年に経済連携協定(EPA)に基づく介護人材の受け入れが始まっており、フィリピン・インドネシアおよびベトナムから約2,800人の外国人が来日しました。

しかしながら、その中で介護福祉士国家試験に合格した人数は、当初見込み1,200人の3分の1となる約400人。しかも合格者のほとんどが帰国してしまったと言われています。

介護職に誇りを持つ外国人スタッフ

EPAを通じて来日する外国人の中には、看護系大学を優秀な成績で卒業しているエリートもおり、「指示を待たずに率先して動くスタッフが多い」「大家族で暮らした経験から、お年寄りにフレンドリーな対応ができる」など、現場での評価は高いようです。

求められるのは受入先の指導力

外国人スタッフの意識の高さ、真面目さ、フレンドリーさには期待が寄せられるものの、難しい専門用語や方言を理解できるのか、詳細な記録付けなど日本語による事務作業が可能なのか?という不安の声もあがっています。

ポテンシャルの高い外国人スタッフを受け入れ、彼らの能力を「単純労働のみ」ではなく、最大限に活かしてもらうためにも、受け入れ側である事業所の指導力が重要となってきます。

しかしながら、現在の事業所は慢性的な人手不足で、ベテランスタッフも現場対応に追われており、人材育成のノウハウが確立されていないのが現状です。

人材不足解消手段のひとつとして、外国人スタッフ受け入れを検討している事業者様においては、人材育成を外部委託することを視野に入れ、委託費用を捻出するための準備を進めていくことも必要かと考えます。

介護事業所の固定費適正化が進まない5つの理由

介護事業所のみなさまが感じている不安・懸念・疑念とは?

固定費適正化の必要性を十分に理解しているのに、なかなか行動に移せずにいる事業所様が多いと感じています。

適正化に向けて動き出せない理由は、大きく5つあります。

動き出せない理由

理由1)適正化をして本当にコスト削減できるのか?という疑念

理由2)適正化=現在の使用量を減らすことになり、利用者様やスタッフのストレスに繋がるのでは?という懸念

理由3)コンサルティング会社に頼むと、高額な初期費用がかかるのでは?という不安

理由4)わざわざコンサルティング会社に依頼せずとも、自社社員が手の空いているときにやれるのでは?というお考え

理由5)やろうと思えばいつでもできるので、ズルズルと先延ばしにしてしまう

みなさまの疑念・懸念・不安にお答えします

本当にコスト削減できるのか?

八楽舎にご依頼いただいている事業所様の事例では、150床の特別養護老人ホーム様で年間削減合計額が約1,700万円。

80床の有料老人ホーム様で年間削減合計額が540万+固定資産税還付金が4,200万と、事業所様の規模により差はあるものの、確実にキャッシュフローを生み出す結果が出ております。

八楽舎では、実際に事業所様の固定費適正化に取り組む前に、各供給会社発行の明細書をご提示いただき、ご契約内容を分析の上、どれだけのコスト削減が見込めるかを試算をいたします。

※試算は無料で行います。

固定費適正化のためには使用量を減らさないといけないのでは?

八楽舎の固定費適正化コンサルティングでは、使用量は一切減らさずに、ご契約内容を見直すことで適正化を図ります。
利用者様やスタッフ様に負担をかけることなく、適正化を実現する方法をご提案しております。

コンサルティング会社に依頼すると高い初期費用がかかるのでは?

八楽舎では、初期費用はいただかず、成果報酬型を取っていますので、試算作成もご契約後の各種手続きもすべて無料で行います。

八楽舎へのコンサルティング料としていただくのは、コンサルティングによって削減できた金額の50%(初年度のみ)だけです。

※2年目以降は報酬をいただきません。

コンサルティング会社に任せずとも、自社社員でやれることでは?

残念ながら「通常業務の合間に自社社員が取り組めるレベル」の業務量ではありません。

実際に手続きを始めてみていただくとわかるのですが、細々とした書類手続きや役所への申請業務があり、自社内で行う場合は、「固定費適正化業務だけを専任で行う人材」を採用する必要があるでしょう。

また、役所に間違った申請をしてしまうと、「事業所名の入った申請書類すべての申請が通らない」という事態にもなりかねませんので、手続きには正確性が求められ、やはり専任スタッフが必要と言えます。

さらに、ガスに関しては、支払いの仕組み上、提供会社との交渉が難しく、事業所の担当者様がチャレンジされて上手くいかないケースも多いと聞きます。

八楽舎には、煩雑な手続きや交渉ごとを引き受ける専任のプロがおりますので、「コンサルティングを依頼する」というよりも、「固定費適正化手続きのためのスタッフをひとり雇う」という感覚でお申し込みされる事業所様が多いようです。

ついつい先延ばしにしてしまう

事業所の業務は多岐にわたりますので、「固定費適正化」という、利用者様の直接的なサービスでないものに関しては、ついつい後回しにしてしまう気持ちもよくわかります。

ですが、八楽舎にご契約された多くの事業所様が「もっと早くに手を付けておけばよかった」と、仰っていますので、1日も早い固定費適正化対策を始められることをオススメいたします。

 

いかがでしたでしょうか。

みなさまの不安や疑問が少しでも解消され、固定費適正化の一歩を踏み出す後押しができれば幸いです。

老人ホームなどの施設向け、コスト削減コンサルティング「八楽舎」

介護報酬改定前に取り組むべき固定費適正化について

迫りくる、2018年介護報酬改定

介護

小規模事業者の倒産

前回、2015年の制度改正では、全体で4.48%もの大幅な介護報酬引き下げが行われ、小規模事業所の倒産が急増したことは、みなさまご存知のとおりです。

介護報酬の引き下げに加え、人材確保の難しさも要因のひとつですが、2018年の介護報酬改定を前に、中~大規模事業所の経営者のみなさまも、大いに危機感を抱いていらっしゃるのではないでしょうか。

抜本的な改革が行われる2018年度改定

【施設から自宅へ】【施設から地域へ】という施策の方向性自体は変えずに、目標に対して明確に成果を出すべく、抜本的な改革を行うと見られる2018年の介護報酬改定。当然ながら、介護事業所にとってさらに厳しい現実を突きつけられることになるでしょう。

2018年度改定は2025年への通過点

また、2018年度の改訂は【国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上】という、「2025年問題」に向けた通過点でしかなく、今後、報酬がアップする要素は残念ながら見当たりません。2018年改定をやり過ごせても、次から次へと迫りくる厳しい状況を乗り越えていかねばならないのです。

今後も多くの介護事業所が倒産の危機に

介護報酬の引き下げ、事業所の過剰供給、慢性的な人手不足により、今後、倒産に追い込まれる事業所は、さらに増加の一途をたどるでしょう。

大変、厳しいことを申し上げるようですが、八楽舎がコンサルティングを請け負う、多くの事業所経営者様が感じていらっしゃることであり、私たちは、これからますます厳しくなる状況を見据えて、地域に根差した事業所様の永続的な経営をサポートしていきたいと考えているのです。

2018年介護報酬改定を前に介護事業者が打つべき手立てとは

市場原理に基づくサービス競争

介護事業は今後ますますの市場拡大が見込まれる反面、介護報酬の引き下げ、人材確保の難しさにより、経営の舵取りが難しく、今後、事業所の選別が進むと予測されます。

介護事業所を運営していくためには、これまでの保険点数で売上が決まる「介護保険型」から、提供するサービスに応じて自由に報酬を決められる「混合介護型」へ移行すべきという意見も多く、東京都が推進する混合介護特区にも注目していきたいところです。

固定費の適正化

最大75%のコスト削減

混合介護の解禁を待つよりも先に手を打つべきなのが、固定費の適正化です。
運営する事業所の「電気・ガス・水道料金」「施設のメンテナンス料金」「公的助成金」「固定資産税」といった固定費が適正化されているかは、すぐに調べることができ、八楽舎がコンサルティングを請け負う事業所様では、最大75%の適正化(コスト削減)に成功しています。

来るべき2018年の介護報酬制度改定を前に、いまから固定費適正化に着手されることをおすすめいたします。

成果報酬型だから安心

八楽舎の固定費適正化コンサルティングは「成果報酬型」ですので、「どれだけ固定費が削減できるか?」を知るための「効果額の試算」「適正化プランのご提案」「各種供給会社との交渉」はすべて無料で行います。

「コスト適正化効果額の試算」をご希望の事業所様は八楽舎ホームページよりお問い合わせください。

来るべき2018年の介護報酬改定に向けて、八楽舎は多くの事業所様の固定費適正化を引き続きサポートしてまいります。

老人ホームなどの施設向け、コスト削減コンサルティング「八楽舎」